続けるか乗り換えるか、何を基準に決める?
基準は、サイトの良し悪しではありません。お店の使い方に、WordPress の仕組みが合っているかです。次の 5 つの問いで決められます。
- 今の状態を、自分で確かめられるか
- ブログを頻繁に書く、または予約や EC のプラグインを使っているか
- 管理してくれる人がいて、連絡がつくか
- サイトの更新は、料金と営業日くらいか
- ログインや更新の通知が、負担になっているか
先に言っておくと、WordPress は悪い道具ではありません。合っている店は、そのまま続けるのが一番です。
まず、今の状態を確かめるには?
続けるにも乗り換えるにも、先に確かめることがあります。ここが分からないと、どちらを選んでも進めません。
| 確かめること | 見る所 | 分かると何ができるか |
|---|---|---|
| 管理画面にログインできるか | 自分の ID とパスワードで入れるか。試す | 入れれば、PHP の版や更新の状況を自分で見られます |
| 管理画面の名義 | ユーザーの一覧に、自分の名前と、今も受け取れるメールがあるか | 管理者が自分なら、人に頼らず動けます |
| サーバーの名義 | サーバーの契約書や請求のメールの宛名 | 名義が自分なら、サーバー会社に直接問い合わせられます |
| ドメインの名義 | ドメインを買った会社の契約の宛名 | 名義が自分なら、サイトを作り直しても住所(URL)を残せます |
| PHP の版 | 管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」 | 期限までの余裕が分かります(次の項) |
PHP の版の見方は、WordPress.org「Update PHP」に書かれている手順です。同じ文書は、版が 8.3 以上なら今すぐ上げる必要はない、とも書いています。
制作会社と連絡がつかなくても、サーバーとドメインの名義が自分なら、次の手があります。名義が制作会社や知人の場合は、先にそこを確かめてください。これは公式の文書にある話ではなく、手順を考えたときの順番です。
PHP の版は、いつまで修正が出る?
PHP は、WordPress を動かしているプログラムです。版ごとに、修正が出る期限が決まっています。php.net の日付は次のとおりです。
- PHP 8.1 は、2025-12-31 でサポートが終わっています。
- PHP 8.2 は、2026-12-31 まで重大なセキュリティの修正だけが出ます。
- PHP 8.3 は 2027-12-31、8.4 は 2028-12-31、8.5 は 2029-12-31 までです。
ここで大事なのは、「サイトが止まる日」ではなく「修正が出なくなる日」だということです。期限が過ぎても、すぐ表示できなくなるとは書かれていません。ただ、新しく見つかった問題が直されなくなります。
WordPress.org の動作環境のページは、PHP 8.3 以上を推奨しています。8.2 以下を使っているなら、サーバー会社の案内を確かめておくと安心です。
WordPress のまま続けたほうが合うのは、どんな店?
次のどれかに当てはまるなら、乗り換えずに続けるほうが合っています。
- ブログやお知らせを頻繁に書く店。記事を足していく使い方は、WordPress の得意な所です。
- 予約や EC のプラグインを使っている店。予約や注文を受ける仕組みは、静的なページだけでは同じようにできません。乗り換えの範囲の外になります。
- 管理してくれる人がいて、連絡がつく店。更新やバックアップを任せられているなら、店主の負担は小さいままです。
このうち 1 つでも当てはまるなら、次の「安全に保つ方法」の節へ進んでください。乗り換えの話は、急がなくてよいです。
乗り換えのほうが合うのは、どんな店?
次のような店は、静的なサイトが合います。静的なサイトとは、ページを前もって作っておき、そのまま渡す形のことです。
- 更新するのは、料金と営業日くらい。記事を足し続けることはほとんどない。
- ページ数が少ない。トップと、数枚のページで足りる。
- ログインや更新の通知が負担。通知が出るたびに落ち着かない。自分で直せない。
WordPress は、お客さんが開くたびに、データベースからページを組み立てる作りです。そのぶん、本体・テーマ・プラグイン・PHP が更新の対象になります。静的なサイトは、完成したページのファイルを置くだけです。動かすプログラムが無いので、更新する部品がありません。
代わりに、静的なサイトはブログを書き足していく使い方には向きません。ここは、はっきり分かれる所です。
乗り換えるとき、何に気を付ける?
中身は、エクスポートと画像の保存で集める
WordPress の管理画面の「ツール」→「エクスポート」で、書き出しファイル(WXR という XML)を作れます。公式の文書では、次の物が入ると書かれています。
- 投稿、固定ページ、カスタム投稿タイプ
- コメント、カスタムフィールド
- カテゴリー、タグ、カスタムタクソノミー
- ユーザー
- 「すべてのコンテンツ」を選ぶと、ナビゲーションメニューも
画像の本体が入るとは、書かれていません。画像は別に保存してください。また、この文書の最終更新は 2024-06-08 です。手元の画面とメニューの名前が違うことがあります。
古い URL から、新しい URL へ転送する
URL が変わるなら、古い URL から新しい URL へ、301 の転送を設定します。Google の文書は、サーバー側の恒久的な転送(301 や 308)を勧めています。転送は、できるだけ長く、一般には少なくとも 1 年残すよう書かれています。
Cloudflare Pages で公開する場合は、_redirects というファイルに 1 行ずつ書きます。書き方は [元] [先] [コード] です。コードを書かないと 302(一時的な転送)になるので、/旧 /新 301 と 301 まで書きます。
ドメイン・メール・解約は、別の記事で
乗り換えで一番事故が起きやすいのは、ドメインとメールです。順番を間違えると、メールが止まることがあります。
- ドメインの扱い:乗り換えでドメインを残す方法
- メールの扱い:乗り換えでメールを止めない方法
- 旧サイトを解約する順番:解約と移管の正しい順番
WordPress のまま安全に保つなら、何をする?
続けると決めたなら、次の 3 つを決めておきます。WordPress の公式の文書で確かめた範囲です。
自動更新
- 本体の小さな更新(マイナーリリース)は、初期設定で自動です。公式の文書は、これを止めないよう勧めています。
- 大きな更新は、新しく入れたサイトでは自動です。前から使っているサイトは、設定しないと自動になりません。
- プラグインとテーマは、特別な場合だけ自動で更新されます。更新の確認は、自分か管理する人がします。
バックアップ
- データベースとファイルの、両方が要ります。片方だけでは、サイトを元に戻せません。
- 更新や引っ越しの前には、必ず取ります。
- 記事の少ないサイトは、週に 1 回が目安と書かれています。
- 3〜5 個の新しいバックアップを、別々の場所に置くよう書かれています。
PHP の更新
- 上げる前にバックアップを取ります。
- 上げた後は、サイトが正しく表示されるか確かめます。
- 困ったときは、制作者・サーバー会社・テーマやプラグインの作者に聞くよう書かれています。
「全部は自分でできない」と感じたら、それが乗り換えを考えるきっかけの 1 つです。自分で直せないことを、恥ずかしがる必要はありません。
どちらにするか、決めたあとは?
続けるなら、上の 3 つを管理する人と決めてください。乗り換えるなら、まず名義とバックアップの確認からです。
私たちは、WordPress から静的なサイトへの作り直しを、モニター価格 5万円でお受けしています。毎月の管理費はありません(ドメイン代は別にかかります)。今のドメインを使えるかは、取った場所と日付で決まります(ドメインの記事)。ドメインの移管・メールの切り替え・旧サーバーの解約といった乗り換えの作業は、この 5万円に含みません。乗り換えないほうが合う場合は、そうお伝えします。条件と範囲はWordPress からの乗り換えのページに書いています。