まず、今のメールはどこで動いている?
info@お店の名前.com のようなメールを、サイトを作り直すときに止めたくない。そのために最初にやるのは、「今そのメールがどこで動いているか」を確かめることです。メールは、サイトと同じ場所で動いているとは限りません。
ここで出てくる言葉を先に言い換えておきます。MX レコードは「メールの届け先の設定」です。「お店のドメインあてのメールを、どこの置き場へ届けるか」を決めていて、DNS(ドメインの住所録のようなもの)に書かれています。
メールの置き場は、おおまかに次の 3 つのどれかです。
| 置き場 | 確かめ方の例 | 乗り換えで気をつけること |
|---|---|---|
| サイトのサービスのメール(ジンドゥー、Wix のビジネスメールなど) | サイトの管理画面の「ドメイン・メール」などの項目を見る | ドメインと一緒に移らない、解約で止まる、という案内がある |
| Google Workspace など、別に契約しているメール | Gmail の画面で、お店のアドレスを使っているか | MX を触らなければ、サイトを変えても動き続ける |
| レンタルサーバーのメール | サーバーの管理画面に、メールの項目があるか | サーバーを解約すると止まる。MX の向き先も確かめる |
分からないときは、そのメールアドレスの設定を最初にした人(制作会社や、ご自身)に聞くのが近道です。管理画面のログイン情報は、先に探しておいてください。
乗り換えでメールが止まる 4 つの原因は?
止まる原因は、大きく 4 つに分けられます。公式やヘルプに書かれているものだけを挙げます。
1. DNS の記録を写し漏れる
Wix の公式ヘルプは、ドメインを移管したあとに MX レコードを設定し直さないと、ビジネスメールが動かないと案内しています("You need to add the MX records again after the transfer...")。移管や、ネームサーバーの変更で DNS の置き場が変わると、MX などの記録も新しい置き場に写す必要があります。
2. サイトのサービスのメールは、ドメインと一緒に移らない
ジンドゥーのヘルプの案内では(2026-11-03 時点)、ドメインを移管してもメールは移管先へ移りません。また、解約すると独自ドメインのメールは停止・削除されます。手続きの前にヘルプで必ず確かめてください。
この記事を確かめた 2026-11-03 には、ジンドゥーのヘルプのページを開けませんでした。上の内容は資料にある案内で、画面で原文を確かめたものではありません。解約の前に、ご自身でヘルプをお読みください。
3. MX を切り替える間の短い空白
Cloudflare の公式は、MX を切り替える間に、MX レコードが存在しない短い時間があると説明しています。MX が無い状態の記録がキャッシュに残る時間は、最大 30 分です。切り替えは、お店の営業が落ち着いた時間にします。
4. 転送のルールを作る前に、MX が Cloudflare を向く
Cloudflare の Email Routing は、MX が Cloudflare を向いたあとにルールが無い宛先へ届いたメールを、"Address does not exist" として返します。再送もされません。ルールは、Email Routing を有効にして MX が Cloudflare を向いたら、すぐに作ります。転送先のアドレスの登録と確認は、その前に済ませておけます。
この 4 つは、どれも作業の前に確かめれば防げるものです。
メールを Gmail に転送する Cloudflare Email Routing とは?
Cloudflare Email Routing は、お店のアドレスあてに届いたメールを、Gmail などのアドレスへ転送する機能です。受け取ったメールを処理・転送する機能です。サイトを Cloudflare に置く場合の、メールの受け取り先の選択肢の 1 つです。ただし、条件があります。
- Cloudflare の DNS が要ります。公式に "You must be using Cloudflare DNS to use Email Service." とあります。ドメインの DNS を Cloudflare に置くことが前提です。
- 他社の MX が残っていると、有効にできません。公式は、他社の MX レコードがあるとオンボーディングが失敗する(エラー 2008)と説明し、先に自分で外すか更新するよう案内しています。自動で置き換わる、とは書かれていません。
- Google Workspace の MX とは、同じドメインで一緒に使えません。公式は、両方がそのドメインの MX を独り占めする必要があるため共存できない、としています。Google Workspace を使っているなら、Email Routing は使わず、Workspace の MX をそのまま残します。
- 受け取りの転送のための機能です。Cloudflare の Email Service には送信の機能(Email Sending、Beta)もありますが、有料のプランで、自動のメール向けの説明です(2026-11-03 時点)。
Google Workspace を DNS に設定するときの手順は、Cloudflare の公式ページにあります。既存の別会社の MX を外し、Google の MX を 5 本設定します。Email Routing が有効なら、先に無効にします。
Cloudflare のメニューの名前は変わることがあります(文書は「Email Service」の配下に移っています)。画面の名前は、その時点の表示で確かめてください。
過去のメールは、どう残す?
止まるのは「これから届くメール」だけではありません。サイトのサービスのメールは、解約で過去のメールごと消えることがあります(ジンドゥーはヘルプの案内では、独自ドメインのメールが停止・削除されます。2026-11-03 時点、手続きの前にヘルプで必ず確かめてください)。
解約の前に、次のことをしておくと安心です。
- 受信箱・送信済みの、残したいメールを、自分のパソコンや Gmail などへ保存する
- 予約や問い合わせのやり取り、取引先の連絡先を、別に控える
- お店のアドレスで登録しているサービス(予約サイトなど)を書き出す
保存の方法はメールの種類で違います。Gmail などのメールソフトに、お店のアドレスを登録して受信しておく方法が、手軽な例です。
ドメインを他社へ移すときの条件は、別の記事にまとめました。ドメインを引き継ぐ条件の記事をご覧ください。
メールを止めない順番は?
作業の日の前
- メールがどこで動いているか確かめる(サイトのサービス/別契約/サーバー)
- 今の DNS の記録を、MX と TXT を含めて全部控える
- 過去のメールを保存する
- Email Routing を使うなら、転送先のアドレスを登録して確かめておく(ルールは MX が向いた直後に作る)。Google Workspace を使っているなら、使わない
作業の日(当日)
- 新しい DNS に、控えた記録を全部写す
- MX を切り替える。短い空白があるので、営業の落ち着いた時間にする
- 自分あてに、別のアドレスからテストメールを送る
作業の日の後
- 予約や問い合わせのメールが届いているか、数日見る
- 問題がなければ、旧サービスを解約する。サイトのサービスのメールは、解約で止まる。解約の順番は、解約の順番の記事にまとめています
- Wix は、プランを解約してもドメインとビジネスメールは自動では解約されません(公式の案内)。別に確かめます
この記事は、公式ページを 2026-11-03 に確認した内容です。ジンドゥーのヘルプは取得できなかったため、ヘルプの案内として書いています。画面の名前や条件は変わることがあるので、作業の日にもう一度公式の画面で確かめてください。
自分でやるのが不安なときは
この記事の手順は、ご自身で進められるように書いています。新しいサイトの制作は、モニター 5万円・月額なしで承っています(制作の実績はまだありません)。今のサイトからの乗り換えの作業(DNS の写し・メールの切り替え・解約の手続き)は、この 5万円には含みません。必要な場合は、別にご相談ください。